ポッドキャストに向いているマイクとは?選び方やおすすめの製品

ポッドキャストのリスナーを増やすためには、良い音質で配信することはとても重要です。ポッドキャストはスマホでも手軽に配信できますが、スマホのマイクはどうしてもノイズを拾ってしまいます。本格的に配信したいなら、専用マイクの購入を検討しましょう。

本記事では、ポッドキャスト用マイクを探している方向けに、マイクの選び方やおすすめのマイクを紹介します。ぜひマイク選びの参考にしてください。

ポッドキャストに向いているマイクとは?

個人でポッドキャストの配信を行っている場合、自宅で録音する人が多いでしょう。自宅はレコーディングスタジオと異なり、生活音や人の話し声などのノイズが入ってきます。そのため、「ノイズを拾いにくいマイク」を選ぶようにしましょう。

また初心者~中級者の場合、自宅に本格的な配信機材がない人がほとんどです。「一般的なパソコンに接続できる」など、今の配信環境で使えるかどうかもチェックしてください。

ポッドキャストで使うマイクの選び方

一口にマイクといっても、用途や性能によってさまざまなものが発売されているため、迷ってしまう人は少なくありません。自分に適したマイクを選ぶためにも、マイクの性能について知っておきましょう。

ここではマイクの「指向性」「感度」「接続方法」について簡単に解説します。

指向性で選ぶ

指向性とは、「どの方向から音を拾うのが得意か」というマイクの特性のことです。不要なノイズやハウリングを抑えるためには、目的に合った指向性のマイクを選ぶ必要があります。

指向性の種類は大きく分けて以下の3つです。

・単一指向性(カーディオイド)
・双指向性(フィギュア8)
・無指向性(オムニ)

単一指向性マイクは、特定の一つの方向からの感度が高いマイクです。
単一指向性の中で一般的なのは、マイク正面からの感度が最も高く、マイク背後からの感度が最も低い「カーディオイド」です。カーディオイドは、ライブ用マイクなどでよく採用されています。
上記のような性質があるため、マイク正面からのボーカルをよく拾いますが、マイク背後からの観客の声はほぼ拾いません。

双指向性(フィギュア8)マイクは、マイクの正面と背後からの感度が高く、側面からの感度が低いマイクです。そのため、向かい合った2人の声を録る対談などに適しています。

無指向性(オムニ)マイクは、全ての方向から同じ感度で音を拾うマイクです。例えばテーブルを囲んでいる全ての人の声を拾えるため、3人以上での収録や会議などに向いています。

上記の3種類のうち、ポッドキャストに向いているのは「単一指向性マイク」です。1つのマイクで対談を録りたい場合は「双指向性マイク」でも良いでしょう。中には、スイッチで指向性を切り替えられるマイクもあります。

マイクの感度で選ぶ

マイクの感度の高さで選ぶとき、注目すべきは「ダイナミックマイク」か「コンデンサーマイク」かということです。

簡単にまとめると、電源を必要としないのがダイナミックマイク、電源につないで収録するのがコンデンサーマイクです。その他にも以下のような違いがあります。

ダイナミックマイクコンデンサーマイク
感度普通高い
ノイズやや拾いやすい拾いにくい
耐久性高い低い
価格安い高い
向いている収録スタイル対談、雑談モノローグ、ナレーション、静かな場所での収録

ダイナミックマイクは、基本的にマイクが向いている方向の音を拾います。感度はそこまで高くありませんが、その分ノイズを拾いにくいこと、ハウリングしにくいことがメリットです。また、コンデンサーマイクと比べて衝撃や湿気に強く、初心者でも扱いやすいでしょう。

コンデンサーマイクは感度が高く音質もクリアです。そのため、息などの繊細なニュアンスまで収録したい場合などに向いています。その反面、ノイズを拾いやすいため、防音性の高い場所で収録する必要があります。また、衝撃や湿気に弱いため、保管場所や運び方に気を付けなければなりません。

一般的に、ポッドキャスト収録では「ダイナミックマイク」がよく利用されています。価格も安いため、最初に購入するマイクとしてはダイナミックマイクがおすすめです。

接続方法で選ぶ

マイクの接続方法には「USB接続」と「XLR接続」の2つがあります。

USB接続のマイクは、直接パソコンに接続して使用します。コードさえあれば簡単に接続でき、持ち運びも簡単です。また、XLR接続と比べて安価というメリットもあります。一方で、音質はXLR接続より劣ります。

XLR接続のマイクは、「オーディオインターフェイス」という機器を使用してパソコンに接続します。音質はプロレベルですが、オーディオインターフェイスを別途購入しなければならない点はデメリットといえます。

初心者~中級者であれば、USB接続のマイクで十分でしょう。ポッドキャストを続けていく中で音質などにこだわりが出てきたら、XLR接続のマイクも検討してみてください。

ポッドキャストにおすすめのマイク

ここでは、ポッドキャスト配信におすすめのマイクを目的別に紹介します。どれも配信者に人気の機種なので、どれを買うか迷ったらこちらを参考にしてみてください。

コスパ重視の配信者向け

とりあえず安くて十分使えるマイクが欲しいという人には、ベリンガー社がおすすめです。

・ベリンガー「XM8500」
・ベリンガー「XM1800S」

「XM8500」は1本2,780円(税込)、「XM1800S」は3本セットで5,980円(税込)という低価格。リーズナブルながらポッドキャストに十分な音質で収録できるコスパが高いマイクです。
※2025年7月現在

USB接続したい配信者向け

USBでパソコンに直接繋いで収録したい人には、以下のマイクがおすすめです。

・オーディオテクニカ「ATR2100x-USB」
・Blue Microphones「Yeti」シリーズ
・Rode「NT-USB+」

どれも配信者に人気のマイクですが、特にBlue Microphones社の「Yeti」シリーズは配信者の定番マイクです。
このマイクは4つの指向性(単一指向性、無指向性、双指向性、ステレオ)から好きなものを選ぶことができるなど、さまざまな用途に対応しています。

また、オーディオテクニカ「ATR2100x-USB」や「Yeti」シリーズの一部機種はXLR接続にも対応しており、好みに合わせて使い分けることができます。

音質にこだわりたい配信者向け

より音質にこだわりたい人は、やや値段は張りますが、以下のマイクを検討してみてください。

・Shure「SM7B」
・Rode「Podcaster」

Shure社のマイクは、ミュージシャンのレコーディングやライブでもよく使用されています。「SM7B」もプロ仕様マイクで、ポッドキャストのみならずボーカルレコーディングにも最適です。

Rode社の「Podcaster」は、まさにポッドキャスト向けに作られたマイクです。高音質ながらUSB接続で収録でき、手軽さも兼ね備えています。

マイクを使って本格的にポッドキャストを始めよう

本格的にポッドキャストを始めるなら、専用マイクは必需品といえます。品質の良いマイクでポッドキャストを収録し、リスナーを楽しませましょう。

ポッドキャスト向けマイクは、価格も機能性もさまざまなものが数多く発売されています。初心者が最初に購入するなら、手頃な価格で扱いやすく、十分な音質で録れるマイクがおすすめです。

さらにこだわりたい方は、マイクの指向性や感度、接続方法などの項目をチェックし、自分好みのマイクを見つけてみてください。