このエピソードでは、古代ギリシャの哲学者・タレスについて取り上げています。
「タレスが面接に来たら即採用!」
そんなタイトルからして、かなり気になるエピソードでした。
万物の根源は水である
タレスは、古代ギリシャで哲学を生み出した人物の一人。しかも、哲学だけではなく、数学や天文学などさまざまな分野に通じていたとされる、いわば万能型の人物です。
そんなタレスの有名な問いが、
「万物の根源は水である」
というもの。
一見すると、「なんで水?」と思ってしまいます。
でも、ここで重要なのは「水」という答えそのものではなく、世界の成り立ちをどう説明しようとしたのかということでした。
タレスが生きていた時代には、世界で起きることを神話や物語によって説明するのが当たり前でした。
地域ごとに、それぞれの神や物語があり、「この世界はこうやってできた」と説明されていた。
そんな中でタレスは、特定の神や物語を持ち出すのではなく、
「そもそも、この世界に共通する根源的なものって何なんだろう?」
と考えた。
そして「水」という一つの原理を提示した。
この発想こそが、神話から理性へと向かう哲学の大きな一歩だったのだと知りました。
そして、この話を現代のビジネスに置き換えると、タレスがものすごくイノベーティブな人に見えてきます。
たとえば、みんなが「どうやって今あるものを改善するか」を考えている中で、タレスだけが、
「そもそも、これって何のためにあるんだっけ?」
と、全然違う角度から問いを立てているような感じ。
番組の中では、そんなタレスを現代のビジネスパーソンに置き換えて考えるのが面白かったです。
答えを出すより問いを立てる力
私自身、このエピソードを聴いて一番印象に残ったのは、「答えを出す力」よりも「問いを立てる力」の重要性でした。
仕事をしていると、目の前にある課題をどう解決するかを考えることが多いと思います。
「どうすれば売上が上がる?」
「どうすれば使いやすくなる?」
「どうすればもっと多くの人に届く?」
もちろん、こうした問いも大切です。
でも、そのさらに奥に、
「そもそも、本当に解決すべき問題はそこなのか?」
という問いが隠れているかもしれない。
ユーザーインターフェース(UI) (を改善することに一生懸命になっていても、そもそもユーザーが求めているものが別にあるかもしれない。
目の前に見えている「困りごと」を解決するだけではなく、誰もまだ言葉にできていない、本質的な問いを見つける。
それがイノベーションにつながるのだと思いました。
タレスは「万物の根源は水」という答えを出した人として知られています。
でも、このエピソードを聴いていると、本当にすごかったのは「水」という答えよりも、それまで誰も当たり前にしていた世界の見方そのものに疑問を持ったことなのではないかと思います。
みんなが同じ方向を見ているときに、一人だけ違う角度から世界を見る。
そして、
「そもそも、何を問うべきなんだろう?」
と考える。
これは哲学だけではなく、ビジネスにも、ものづくりにも、日常にも必要な力なのかもしれません。
このエピソードを聴いて、哲学とイノベーションは一見まったく違うものに見えて、実は「当たり前を疑い、本質的な問いを見つける」という部分でつながっているのだと感じました。
もしタレスが現代に生きていて、会社の面接に来たら。
与えられた課題に対して誰よりも早く答えを出す人ではなく、
「そもそも、その課題を解く必要ってありますか?」
と聞いてくる人かもしれない。
そんな人がいたら、確かに「即採用!」と言いたくなる気持ちも少しわかる気がします。